野生動物、絶滅動物の図鑑サイト TOMORROW is LIVED

LION

百獣の王「ライオン」

古くからライオンは、百獣の王として特にヨーロッパの方で強さの象徴、王のモチーフとして使われています。オスの外見はたてがみが王のヒゲようにも見え、非常に特徴的です。オスの平均体重は180kg、メスは125kg、明らかにオスの方が大きく、250kgを超える個体もいます。
体の毛は短く、毛の色は黄褐色や灰褐色で、腹部は淡くなっており、尾の先の房は黒くなっています。 アフリカ(サハラ砂漠以南)に住む、アフリカライオン(一般的にライオンと呼ばれている)と、インド北西部に生息しているインドライオン(アジアライオン)の2種類が現存しています。インドライオンはわずかに生息しているだけでアフリカライオンに比べると小型で、腹の下側に肉ひだがあり、オスのたてがみは短く、尾の房が大きいのが特徴です。

左がメスで右がオス

オスの「たてがみ」の役割

オスの特徴であるたてがみは、頭部から首、肩、胸にかけてゴワゴワした毛で覆われており、腹にまで生えている個体もいます。
なぜオスにだけたてがみが生えているのか?
一般的に大きく2説にわかれており、「強さの象徴説」と「首を守る説」があります。
まず「強さの象徴説」ですが、オスは狩りや闘いに勝つと自信がつき、「テストステロン」という男性ホルモンが分泌され、テストステロンの量が多いとたてがみは黒くなります。黒いたてがみは健康で強いという証となりメスにもて、多くの子孫を残すことができます。実験でメスが茶色のたてがみよりも黒いたてがみのオスを選んだという実験結果も出ています。

次に「首を守る説」ですが、オスは群れ(プライド)を守るために侵入者のオス同士で戦いを日々繰り広げており、自分の身を守るために特に狙われやすい箇所の首周りに毛が生えていると考えられています。なぜトラにはたてがみがないのか?それは、トラのオスは単独行動が故に縄張り争いを避け、ライオンのように激しく頻繁に戦うことがないので、たてがみは必要なかったとも考えられます。

どちらの説もたてがみの役割として十分な理由を満たしておりどちらの説が正しいと決めてしまうのは間違っているのかもしれません。他の説にはオスメスの違いをはっきりさせ求愛の効率を上げる説や交尾のあとに起こるメスからの引っかきを防ぐ説などあります。

サバンナ最強に君臨する「プライド」

ライオンはネコ科では珍しく、「プライド(pride)」と呼ばれる群れを形成しています。「プライド」には誇り、自慢などの意味がありますが、15世紀半頃からライオンの群れはプライドと呼ばれるようになりました。なぜそう呼ばれるようになったのかはわかっていません。

「プライド」とは通常メスで構成されたグループとオスで構成されたグループからなります。メスグループの構成は母親、姉妹、従姉妹関係と血縁関係が近く10頭前後からなります。オスグループは通常の構成は兄弟の1~2頭からなります。オスだけのグループは「コアリション」と呼ばれます。

オス(コアリション)が「プライド」のリーダーとなり、子供以外のメスすべてとほぼ等しく交尾関係となります。子供はオスだと2才半~3才で「プライド」からリーダーに追い出されます。追い出す理由としては自分に対して脅威となる前に追い出すこと、自分の子孫をより広げることが考えられます。
追い出されたオスは兄弟がいれば兄弟でコアリションを形成し、「プライド」を乗っ取るために別の群れのオスと戦います。乗っ取る時には激しいオス同士の戦いとなり、殺してしまう事もあります。単独の場合は「ノマド(放浪オス)」として彷徨うか、リーダー不在の「プライド」に受け入れてもらうこともあります。
通常メスはプライドにとどまりますが、「プライド」の規模がその地域での適正な大きさを超えると複数の姉妹とその子供を引き連れて出ていき新しいプライドを形成します。そして、放浪コアリションやノマドを受け入れ、新たなプライドを形成し子孫を残していくことになります。

なぜオスライオンは子殺しをするのか?

群れを乗っ取ったオスはまずその群れの子供をすべて殺します。これは「ライオンの子殺し」と言われ有名です。

なぜ子殺しするのかというと、通常メスは年に1回発情するが、子供を持つと2年は発情しないので、群れを乗っ取ったオスはメスと交尾ができません。自分の子孫を残すために乗っ取ったというのに、これでは意味がありません。生殖期間が3年しかないということもあるので乗っ取ったオスは、自分の子孫を残すため前のリーダーの子供を殺すという行動にでます。メスはこれはライオン社会の掟だということがわかっているのか子供を守ろうとはしません。メスは子供がいなくなるとやがて発情し、オスは交尾に入ります。3ヵ月後には新しいリーダーの子供が生まれます。

このようにしてプライドは血縁関係の強い群れを形成しているのです。

ライオンが「プライド」を形成した理由

ネコ科で唯一群れを形成するライオン。ライオンが群れを形成するようになったのは、ブチハイエナ、リカオンの存在が大きいといわれます。ブチハイエナやリカオンは基本群れで行動し、獲物を捕まえます。そして動物間でも争いが起きます。その時ライオン1頭では何十頭といるブチハイエナなどの群れには勝てません。それに対抗するためプライドという群れを作ったのではないかといわれています。

他の理由として、開けたサバンナで1頭で狩りをするのは難しいため、獲物を捕まえやすいように群れを作ったとも考えられます。

成功率は低いメス主体の「ライオンの狩り」

ライオンの狩りは夜が主で、太陽が沈みだすと動きだします。日中に狩りを行うこともあるが、暑さをしのぐため木陰などでごこごろしている事が多く、その休息時間は一日20時間にもなります。

狩りはメスの仕事で、オスはほとんど参加しません。年長のメスは群れに残り、子供達の面倒を見ます。これはブチハイエナの攻撃から守るためでもあります。

メスたちは獲物の群れを見つけると草で身を隠し、近づけるところまで近づきます。そして1頭が獲物の不意をついて走り出します。すると他のメスたちも走り出します。(ライオンの走る最高速度は約58kmで獲物の草食獣は60~90kmで走るので接近できる距離と加速力が重要になってきます。)そして最初に追いつくことのできたメスは前肢で強力なパンチをくりだし、首の骨、背骨を折り獲物を倒します。または鼻面や喉に噛み付き窒息させて倒します。

キリンやアフリカスイギュウなど大型草食獣がで苦戦しているとオスが現れ倒すこともあります。ライオンの狩りの成功率は20~30%ほどとサバンナの王者らしからぬ低い成功率なんです。

問答無用「獲物を食べる順番」

獲物を捕まえるとメスたちが一斉に食べ始めますが、オスが近寄ってくるとメスと子供を追い払います。メスはそれをわかっているのでオスが来る前にできるだけ獲物を食べます。オスが食べだし腹が膨れるてくると寛容になります。メスたちはそれをオスの唸り声で判断します。その気配を感じとると食事に参加できるうようになります。ただそれは餌が残っていたらの話になります。餌にありつけず2才までに80%の子供が死ぬといわれています。

一覧に戻る